田村由美先生・BASARA オススメまんが3

少女マンガのファンタジー長編です。 紙版で揃えるとまず置く場所の問題が出て来るんじゃないかなと思います。 大作です。ファンタジーの自由さというのはとてもいいですよね。その世界にはその世界の常識や社会があって、その規則があるから今私たちが生きている世界と違っている部分がある。そこがとても魅力的で、だけど私たちが楽しめる同じ感覚や仕組みもあるから共感したりもする。ファンタジーというといわゆるゲームの世界でよく見るドラゴンとか魔法とか騎士とかが出てくるイメージですが、大々的にそう言う感じではなくても幻想世界、超能力、空想、広くフィクション的な意味合いでも使っていたりするような気がします。そうするとマンガの多くはフィクションだからみんなファンタジーになっちゃう?となってしまうので結局ちゃんとした定義は分かりません。

田村由美先生・BASARA


↑電子版です

少女マンガのファンタジー作品は結構多く存在するのですが、こちらはファンタジーであり架空戦記の作品です。 私が子供の頃読んでいる人が周りにいて私も読んでいた記憶があります。長い時間が経ち、ふと思いついて数年前に読み返しました。めっちゃくちゃ面白い!本当にめちゃくちゃ面白いです。読むのに結構時間はかかりましたが、面白すぎて止まりませんでした。ただ楽しんで読むばかりのシーンではなく、こわごわ先を読んでいくページもとても多いです。

田村由美先生の作品はいくつか読ませて頂いていますが、まず絵柄が個性的です。華やかな絵柄で、誰とも似ていない独特の人物を描かれます。ストーリーの中には残酷さや悲しいこと、どうしようもない気持ちになるようなシーンやエピソードが入る作品も多く、生温くないなと思います。心にずっしりくる作品が魅力です。

BASARAもそれは同じです。特に戦乱時代のお話ですので人が亡くなるシーンは少なくありません。残酷に、強く、哀しく、そして人間の想いや繋がりを詰め込まれた作品です。逃げたくなること、裏切られること、辛いこと、嬉しいこと、いっぱい詰め込まれていて物語を見届けるまでとても読むのをやめるわけにはいきませんでした。幸せになって欲しいと思うキャラクターが必ず幸せになるとは限りません。敵対する人たちの全てが悪い人と決めつけられるわけでもありません。そして主人公の生き方が必ず正しいとも限りません。それでもこの物語を見届けなければ!そんな気持ちになります。

ただ、外伝含み27巻ありますのでまず読むのに時間が必要なのと、これは私の個人的な感覚ですが片手間に読める気軽なものではないということです。先が気になるし読んでいるこっちの感情が高ぶってしまうので。けれどぜひ時間を作って読んで頂きたい!私世代の昔からの少女マンガ好きは「BASARA!知ってる!読んでた~」って方が多いんじゃないかと思いますが、大人になって是非読み返して頂きたい。時間を忘れます。

ミステリと言う勿れ

現在田村先生が連載されているのはこちらです。今季まさにドラマ化された作品で話題になっているから紹介するならこっちでしょ!という話ですが…すみませんBASARAが好き過ぎて、まずはBASARAのご紹介になりました。


↑電子版です。


↑紙版です。

BASARAとはかなりテイストが違いますが田村先生の作風が詰め込まれたこちらももちろん読んでいます。田村先生の作品からの学びというのはもともと多く感じるのですが、この作品はそれがより多く伝わりやすく描かれています。私たちの生きている現代と同じ世界観で繰り広げられているファンタジー路線ではなく事件系になりますので、BASARAよりもお話に入りやすく気軽に手に取りやすい作品だと思います。とはいえ、世界観が現代であろうと架空戦記であろうと田村先生の作る世界は面白いです。私としては主人公の整(ととのう)くんの前身となるシリーズが龍三郎シリーズ(ボクが〇〇になった理由のシリーズ)のイメージかなぁと思います。龍三郎くん可愛いですよね。

読もう

田村先生の作品は短編や龍三郎くんシリーズ、巴がゆく!に7SEEDSなどすごく面白い作品がたくさんあります。そもそもBASARAを紹介するなら7SEEDSも紹介しないの?!という田村先生ファンは思われると思うですが、実は7SEEDSまだ読んでおりません。ちょっと少女マンガから離れている時期にやっていた連載で、初期に手を付けていないまま今日まで時間が過ぎてしまいました。面白いのは分かっているんです。絶対夢中で読んでしまう。そしてBASARAを読んでいる最中や読み終えた後、BASARAのことばかり考える日々を思えば多分同じような感覚になるのもわかっています。分かっているからこそちゃんと時間を取って読みたいと思います。なにせ7SEEDS、BASARAより長編なのです。外伝含み36巻です。長編で面白い作品があるってすごく幸せなことなのですが、BASARAの読み返しのあとだけに気持ちを整えようとして手に取れてないという本末転倒なことになっています。

面白いマンガとの出会いは本当に奇跡だなと感じます。素晴らしい力作がどんなにたくさん存在していても、自分にとって好きだな、面白いなと思えるかどうかというのは別の話になります。ヒットしているマンガでも自分にはそんなにヒットしないななんてことはあるし、自分が読んで面白いものが「なんでこれもっと話題にならないのかな?」なんて思うこともあると思います。マンガに限らずありますよね、そういうこと。

だから好きになる作品、面白いと思う作品に出会えるのはやっぱり奇跡だと思うです。面白いとわかっているんだからあれこれ言ってないで私も読もうと思います。

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